7、学力検査をせずに子供の学力を把握する??

公立中高一貫校について、文部科学省の見解として、


「公立の中等教育学校及び併設型中学校では、入学者の決定に当たって、学力検査を行わないこととしている」

となっています。

学力検査は行わないが、例えば,「面接,実技,推薦,抽選等の方法を組み合わせて行われる」こととなるというのも、文部科学省の見解。

しかし、戦後の歴史を振り返ってみても、共通一次テストからセンター試験への改革、学校群・総合選抜制の改革、ゆとり教育の導入など、文部科学省が主導してきた改革で当初の目的を果たした改革は皆無に等しいといわれています。

偏差値による大学の序列化や公立高校の没落、学力低下など、文部科学省が政策の舵を切ったその後、必ず最初の目的とはまったく逆の目を覆うばかりの結果が待ち受けていることを経験してきたわけです。

学費の安い公立の中高一貫校に大いに期待したいと思う。

しかし、これまで最初の目的とはぜんぜん違う方向に向かってきた愚かなな史というものもあるということを知ったうえで、考えていかないといけないと思うのです。


我が子はモルモットではありません。特に、これから公立の中高一貫校に子供を預けようとする方は、まだ結果が出ていない学校に子供を預けるわけですから、調べるにしても、調べすぎということはないはずです。

公立の中高一貫校が導入される際、

「学力検査を課さずに子供の学力を把握することはできるのか」という問題が議論されました。

せっかく6年間の一貫体制を取るにしても、入学者のレベルが低ければ、意味がないのではないか?

そこまであからさまな話ではないにしても、常に受け入れ側からは、文科省から命じられた学力検査を禁止を念頭に「入学者の学力が低下するのではないか」という問題が提起されてきたわけです。

そこで公立の中高一貫校は、学力検査によらない「総合適性検査」という名のテストを編み出したのでした。

総合適性検査は、学力検査ではないのか?

各県で作成されている「中高一貫教育推進会議」での議事録にいくつか目を通してみましたが、「総合適性検査は、学力検査ではないのか?」やこれら矛盾点について言及している個所は見当たりませんでした。

日本の役所の横並び意識からすれば、おそらく作文と適性試験が一般的になっていくと思われます。数年して、学力検査を課さないという最初の考えがどう変容していくのか、また解釈だけ変えながら、どのように変遷していくのかを見つめていきたいと思っています。


ネットで読むことができる報告書

宮崎県中高一貫教育校設置推進協議会概要

※宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校においては,調査書,集団面接,グループ活動等の適性検査,抽選により入学者を決定しているようです

「和歌山県中高一貫教育推進懇談会報告書」

神奈川県の中高一貫教育についての研究報告(概要)


  <お役立ちリンク集>


中学受験の親技


公立中高一貫ネット


Honma Note



公立中高一貫校の傾向その2

引き続いて、公立一貫校の入試問題を見ていただきましょう。ここで取り上げる問題はもっとも公立中高一貫校らしい問題といえるでしょう。最初に取り上げたのは、バーコードの問題です。身のまわりにある、また学校などでも頻繁に取り上げられるテーマでもあるでしょう。

平成19年度 沼津市立沼津高等学校中等部入学者選抜考査 総合適性検査問題Ⅰ 問題BH19.gif

ここでは自分の意見を述べ、かつ答えにたどりつくまでの道筋を考えさせる問題が組み合わされています。この問題は覆面算とも呼ばれ、その意味するところを読み取る数学的なセンスが求められます。公立中高一貫校では、この手の問題が多く出題されています。また、なぜそうなるのかを説明させる問題もよく出題されます。

もう1つは、平成18年度 沼津市立沼津高等学校中等部入学者選抜考査   総合適性検査問題Ⅰ
H18numadu.gif

この手の資料を読み取る問題も非常によく出題されます。一番出題頻度が高いのは食料の自給と輸入のグラフですが、あらゆることが問題にできるわけですから、こだわることなく、この手の問題には多く接していくことが大事です。公立中高一貫校において、対策として、もっとも取り組み安い種類の問題であることも知っておいたらいいでしょう。余談ですが、こういう問題は、公立高校の社会の問題でも全国で毎年一題は出題されるといってもいい問題です。もし、やってみようという問題がないようなら、公立高校の社会の入試問題を手にとって、見てみてください。中学3年生が受ける入試問題ですが、題材として取り扱われている資料や図などは公立中高一貫校の対策としても十分使用できます。

沼津市立沼津高等学校中等部入学者選抜考査問題

公立中高一貫校の傾向その1

まずは東京の九段中等教育学校の適性検査の問題を見てみましょう。

九段中等教育学校H18年適性検査2
18kudan.gif


九段中等教育学校H19年適性検査1
19kudan.gif

いかがでしょうか。各学校がそれぞれ工夫して「知識」そのものを聞く問題ではなく、「なぜそうなるのか」という問題を出題しています。九段中等教育学校もまさにそういう問題になっています。

ベネッセの教育開発センターの主席研究員鎌田恵太郎氏によれば、2005年度の公立中高一貫校の入試を精査し、問題を解く際に必要な知識・理解がどの教科と関連があるかを調べたところ、
国語19.2%
社会15.1%
算数22.9%
理科14.6%
家庭科/図工2.2%
道徳1.8%
特別活動7.8%
総合的な学習時間16.1%

となっているそうです。各教科満遍なく配置されていることは、この数値によってよくわかるのですが、目を見張るのが「総合的な学習」から16%近くの出題がなされているということ。単なる知識の集積としての解答ではなく、資料や図や写真から読み取ったり、身のまわりの自然の「なぜ?」を適性検査では問われているわけです。こういった問題には付け焼刃の知識では解答できません。ありきたりですが、普段から身のまわりのことに関心を持ち、好奇心を持って「なぜ?」を考えていく。ある意味では小さい頃からの家庭環境が問われていると言ってもいいでしょう。

全国で公立一貫校がどんどん設立され、適性問題が蓄積されていくにつれて、その問題の傾向と対策が分析されていくことでしょうが、出題された問題への「対策としての勉強」では次々に出てくる新種の問題には対応できないと思われますから、普段からの過ごし方がとても大事になってくるでしょう。

また、ゆとり教育の中で、ややもてあまし気味の扱いを受けていた「総合的な学習」の時間も、公立中高一貫校の出現によって、もっと見直されていくはずです。「総合的な学習」の時間で、調べ、自分の意見をまとめ、発表するという一連の作業が適性試験そのものとして20%近くも出題されているのですから。

なにかの問題に対処するのではなく、身のまわりにあることにまずは取り組んで、「なぜそうなるのか?」「どうして?」などを子供と共に知る作業が公立中高一貫校のもっとも有効な対策と言えるでしょう。

九段中等教育学校 適性検査問題 過去問

滋賀県立中学校の入学者選抜考査の問題

滋賀県立中学校の入学者選抜考査の問題

2008年度入学者選抜考査の問題
出題方針
作文
適性検査 

2007年度入学者選抜考査の問題
出題方針
作文
適性検査

2006年度入学者選抜考査の問題
出題方針
作文1
作文2

2005年度入学者選抜考査の問題
出題方針
作文1
作文2

2004年度入学者選抜考査の問題
出題方針
作文1
作文2

2008年春 公立中高一貫校の入試問題

平成20年度入学者選抜適性検査

さいたま市立浦和中学校

>東京都立桜修館中等教育学校

>東京都立両国高等学校附属中学校

>東京都立小石川中等教育学校 適性検査Ⅱ
>東京都立小石川中等教育学校 適性検査Ⅲ
>東京都立小石川中等教育学校 解答例

>平成20年度 和歌山県立古佐田丘中学校適性検査問題等

>平成20年度 和歌山県立桐蔭中学校

>岡山県立倉敷天城中学校適性検査Ⅰ
>岡山県立倉敷天城中学校適性検査Ⅱ

>千代田区立九段中等教育学校

こうやって1つ1つ見ていくのが面倒な人は、どーーんと問題集がオススメです。今年の適性問題は今年のうちに手にしておかないと来年はもう手に入らないかもしれません・・・

公立中高一貫校適性検査問題集.jpg


公立中高一貫校適性検査問題集 全国版 2008年度受験用  全国67校全問題収録

 

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