中高一貫校の今後の課題
文部科学省の報告
この報告の中で、文科省は、「今後の課題」を取り上げています。
課題として、文科省は、
中高一貫教育については、平成9年6月の中央教育審議会の答申において、
制度の適切な運用が図られない場合には、
◆受験競争の低年齢化につながるおそれがあること
◆受験準備に偏した教育が行われるおそれがあること
◆小学校の卒業段階での進路選択は困難なこと
◆心身発達の差異の大きい生徒を対象とするため学校運営に困難が生じる場合があること
◆生徒集団が長期間同一メンバーで固定されることにより学習環境になじめない生徒が生じるおそれがあること
といった課題が指摘されたが、これらについては、既設校において様々な工夫が
図られており、むしろこのような工夫そのものが中高一貫教育を行う学校としての
特色となっている(【資料19】参照)。
このことから見る限り、今後、新たに設置される学校においても、学校における工
夫や国、都道府県・市町村等の支援など関係者の様々な取組により、十分解決
されていく課題であると考える。
と述べています。
「学校における工夫や国、都道府県・市町村等の支援など関係者の様々な取組
により、十分解決されていく課題」とは、いかにも楽観的と思うのは、私だけでしょうか?
では、それら楽観できる取り組みとして示されているのは、
◆受験競争の低年齢化につながるおそれがあること
→選考で学力検査を行わず、調査書、面接、適性検査、作文などを行う
→抽選の導入
→調査書に学習記録を盛り込まない
など
◆受験準備に偏した教育が行われるおそれがあること
→体験学習、地域学習、自然巡検の重視
→郷土学習の重視
など
◆小学校の卒業段階での進路選択は困難なこと
→児童、保護者を対象にした説明会の実 施
→進路変更への柔軟な対応
など
◆心身発達の差異の大きい生徒を対象とするため学校運営に困難が生じる場合があること
→寮生活の導入
→中高合同での入学式、体育祭、文化祭の実施
→中高の教員の相互交流
→生徒会行事、部活の中高合同での実施
など
◆生徒集団が長期間同一メンバーで固定されることにより学習環境になじめない生徒が生じるおそれがあること
→選択教科・科目の導入
→高校からの入学者の受け入れ
など
※資料19参照
まったく問題がない学校というのはありえません。
問題というよりは短所と言ったほうがいいと思いますが、それぞれの学校が長所と
短所をハッキリさせるということが今求められていると思うんですね。
そういう意味で、文部科学省の見解というのは、非常に違和感があります。
理想的な総花的な考えのモトに全国に学校を作れば、結局は公立の学校と変わり
映えのしない学校ができてしまう。そんな気がします。
それぞれの学校が枠組みはあるにせよ、多少の短所は気にせずに、独自の特色な
り、長所を前面に押し立てた学校になってほしいと切に願います。