来年以降、受験熱はさらに激しくなる

2008年3月8日の中日新聞が「保護者は明確な方針を 冷めぬ中学受験熱」と題して以下のように報じています。

キーワードは日能研井上室長の

「来年以降、受験熱はさらに激しくなる。保護者はしっかりした情報収集が必要になる」

です。

http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2008030802093666.html

 今春、首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県)の中学受験者数は過去最多を更新したという。費用の安い公立中高一貫校新設の影響が大きく、“受験熱”の拡大傾向が続いている。 (草間俊介)

 「今春の首都圏の中学受験率は20%以上になった。特に、東京都では30%を超えた」と、大手学習塾「日能研」進学情報室の井上修室長は話す。受験率とは、小学校卒業予定者数(今年は約二十九万六千人)に対し、中学入試を受けた人数の比率。「千葉市や東京・多摩地区に公立一貫校が新設された影響が大きい。卒業予定者数は昨年より約一万人減ったが、総受験者数は約三千人増えて約六万千人。過去最多を更新した」

 日能研の調べ(推定)では、受験者数、受験率とも二〇〇三年から増え続け、「20%を超えるのは一一年ごろと予想していたが、それより早かった」(井上室長)。一方、森上教育研究所代表の森上展安氏も「私立の人気校が集中する二月一日(午前)の受験率は上昇を続けている」と話すが、少子化の影響で、同日の私立受験者数は六年ぶりに減少(同研究所調べ)。受験先を私立から公立一貫校へシフトした例も多かったようだ。

 東京都立の中高一貫校は二月三日に一斉に適性検査が行われ、試験日の違う私立校に併願できた。日能研の推定では、受験生一人当たり公私あわせて平均五・一校を併願している。

 受験率を都県別にみると=図、埼玉、神奈川は昨年と比べほぼ横ばい。千葉、東京はともに3ポイント以上上昇した。井上室長は「実感として、千代田区、文京区、港区、渋谷区など都心部の激戦区では50%程度となり、受験しない子のほうが少数派になった可能性もある」。

 千葉は新設の一貫校「県立千葉中」(千葉市)、東京は「都立立川国際中等教育」(東京都立川市)、「都立武蔵高校付属中」(武蔵野市)に応募者が殺到した。

 千葉中には同県の卒業予定者(五万五千三百八十一人)の約4%相当の二千百四十二人が応募(実質倍率二六・七八)。都立の二校も立川(一般枠)が倍率一四・五四、武蔵が同一五・六一だった。

 武蔵野市、立川市などの多摩地区は以前、都心部と比べ中学受験熱は低かったが、今年は都立一貫校に加え、私大付属中の移転もあり、受験者層が新たに開拓された形。私立は六年間の授業料が約四百万円とされるが、公立一貫校はその四分の一程度。従来、中学受験を考慮しなかった家庭からの参入も、中学受験人気を押し上げたようだ。

 二〇一〇年には、中野、練馬、三鷹、八王子の各地区にも都立一貫校ができ、神奈川県も来年、初の県立一貫校を二校新設する。

 井上室長は「来年以降、受験熱はさらに激しくなる。保護者はしっかりした情報収集が必要になる」と話す。

 一方、教育関係者などから「行政が、中学受験熱をあおるのはどうか」という批判も出るが、森上氏は「公立一貫校は点を争う試験ではなく、一定の質を問う適性検査。『参加することに意義がある』というべき準備教育で、公立一貫校だけを目指すのであれば、弊害はあまりないだろう」と話す。しかし「公立受検者は私立も受験する傾向が強い」(井上室長)のが実情。選択肢が増え、保護者は「何を目標に、わが子をどう育てるのか」という明確な方針がより問われてくるようだ。

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