2007年12月21日 中日新聞
2006年度に児童生徒の保護者が支払った学習塾費は、公立小学校で平均6万2000円、公立中学校で平均17万6000円でいずれも過去最高となったことが20日、文部科学省の学習費調査で分かった。学力低下論争などで、保護者の不安が高まっていることなどが背景にあるとみられる。
調査は1994年度から隔年で実施。全国の幼稚園や小中高校生の保護者計約2万3500人から回答を得た。公立小学校で、学習塾費を支出する保護者の割合は、不況の影響などもあり2000年度まで減少傾向にあったが、02年度から増加に転じ、今回43%で過去最高となった。
公立中学校では支出額は増加する一方、支出した保護者の割合は72%で前回調査より2ポイント低下。同省は「学習塾にお金を出す人はより多く出すようになり、全く出さない人と二極化しつつある」と分析している。私立小学校が今回から調査対象となり、塾支出額は19万6000円。私立中学校は11万8000円で前回より4000円減った。
今回初めて世帯の年間収入も調査。塾に加え、家庭教師や参考書購入などの費用も含む「補助学習費」や、塾以外のおけいこごとなどの「学校外活動費」はいずれも世帯の年間収入が増加するほど多くなる傾向があった。公立中学校の補助学習費は、収入400万円未満の世帯で15万4000円、1200万円以上の世帯で36万円で2倍以上の開きがあった。
学校授業料なども含めた学習費総額の公私間の差は幼稚園で私立が公立の2・1倍、小学校で4・1倍、中学校2・7倍、高校2・0倍となっている。幼稚園から高校まで15年間公立学校に通った場合の学習費総額は571万円で、すべて私立に通った場合の1678万円とは2・9倍の開きがある。
学習塾の支出額が増加傾向にあることについて東京23区内の公立小学校長(54)は「保護者の中に公立への不安が高まり、中高一貫校志向が強まっている」と分析。「公立でも学力はつくと安心してもらえるよう努力を重ねている」と強調する。文科省の神代浩調査企画課長は「今回の結果を、所得の低い保護者向けの支援策の充実に生かす必要がある」としている。