岩田学園が進学コース APU・立命館へ推薦入学 交流協定締結

2007/05/30 西日本新聞  立命館アジア太平洋大学(APU、別府市)を運営する学校法人立命館(京都)と岩田学園(大分市岩田町)は29日、中高一貫の同学園にAPUや立命館大へ推薦入学できる「進学コース」(1学級30人)を来年度から新設することを柱とした交流協力協定を締結した。  同学園は進学コースを中学、高校の各学年にそれぞれ1学級設け、中高の計6年間にAPUなどで必要となる語学や国際感覚を重点的に教える。コースに在籍する学生は基準を満たせば、APUか立命館大に特別推薦で入学できる。  具体的には(1)高校3年は全教科を英語で行い、高校卒業時に海外の大学に進学可能な英語運用能力(TOEFL500点以上)を身に付ける(2)APUの講師や留学生を招いて授業を開いたり、大学の講義に参加する(3)第2外国語の授業を開講する‐などのカリキュラムを検討しているという。  少子化による学校間競争が激化する中、国際的に活躍できる優秀な人材を確保するのが狙い。また「(岩田学園が)APUの外国人教員の子息が通える(インターナショナルスクールのような)教育機関になってほしい」(モンテ・カセムAPU学長)という思惑もある。  協定締結後に県庁であった記者会見で、成瀬輝一・岩田学園理事長は「大変喜ばしい。国際的視座をもつ人材を育成することが、高校の進学実績を伸ばすことにつながる」とあいさつ。カセム学長は「世界中から集まった若者と一緒に学ぶことで、狭い専門性に閉じこもらない大きな視野に立てる人間を育てたい」と述べた。

「過去問」再利用へ 全国66大学が来春入試から

公立中高一貫校もいずれ同じような試みを行うようになるのではないでしょうか。

2007/05/18 産経新聞
東京学芸大や順天堂大など全国66大学が来春入試から、過去に他の大学で出題された入試問題を再び出題する方針を決めた。毎年新たな問題を作成しなければならない負担を軽減するとともに、良質な過去問を活用するのが狙い。他大学の過去問の“再利用”はこれまで重大な信義則違反とみられる傾向が強かっただけに、66大学の取り組みに注目が集まりそうだ。

過去問を再利用するのは両大のほか、お茶の水女子大、横浜国大、名古屋市大など国公立33大学と桜美林大、東京農大、日本医科大など私立33大学。

これらの大学は「過去問活用宣言」を行い、(1)宣言を行った大学の入試問題を「共有財産」と位置づけ、相互に使用を認める(2)そのまま使用することも、一部改変して使用することもできる(3)使用した過去問は入試後に受験生に公表する-こととした。

国立大の入試関係者によれば、他大学の過去問の再利用についての明確なルールはない。しかし、受験生などから「同じ問題に接したことがある人とない人の間で不公正が生じる」との批判が強く、「出題できないという暗黙のルールがあった」とされる。

このため各大学の入試担当者は、作成した問題が過去問と類似しないよう細心の注意を払っているが、「全国の大学で毎年の出題される問題数は膨大で、チェックは非常に困難」なのが実情。問題作成に時間をとられて大学本来の教育、研究活動に支障が出ることも少なくないという。

一方、66大学の宣言では「過去問を共有財産として活用することは、問題作成をめぐる重圧からの解放も意味する」と強調。ただ安易に依存することは認めず、「それぞれのアドミッション・ポリシー(学生受け入れ方針)に沿った良問を使用する」と強調している。

宣言への参加大学は、受験生に不公平にならないよう(1)事前に過去問を利用する可能性があることを公表する(2)問題集などで公表されている過去問に限る(3)入試後、どの大学の過去問を利用したかを公表する。

今後は参加大学の拡大を呼びかけていく方針で、宣言の幹事を務める岐阜大は「大学入試は高校教育に大きな影響を及ぼす。過去問をタブー視せず良問を出題することで、入試の役割を果たしたい」としている。


足立区に見る学校選択制 実態は「近く・友人・兄弟」

2007/05/16 産経新聞
 1月の教育再生会議第1次報告で提唱された公立小中学校の選択制。都市部を中心に多くの自治体で採用されている。「子供に合った学校が選べるようになる」と評価される半面、地域の学校の意識が薄くなるなどのデメリットも指摘されている。東京都足立区の学校選択制について聞いてみた。(慶田久幸)

都市部中心に

 教育再生会議の第1次報告では「『ゆとり教育』を見直し、学力を向上する」という取り組みの1つに「地域実情に留意のうえ学校選択制の導入など、子供にあった教育内容や教育方法を保護者が選べるようにし、子供の能力・適性、興味・関心、進路希望などに応じ、すべての子供がそれぞれに伸びるようにする」と推進している。選択制は学校が近くに接して建てられている都市部で導入される傾向にあり、小学校では埼玉県で18自治体(平成19年度)千葉県では9自治体(18年度)が実施している。

 東京都では今年度、中学校で19区8市、小学校では14区6市で実施されている(一部重複。ブロック、隣接校のみ選択も含む)。

 足立区では14年度から区立小中学校の選択制を導入、19年度の新入生は小学生で約2割、中学生で約3割が学区外の学校を選んでいる。

 足立区教育委員会は「保護者から学校選択範囲が広がった、と評価されている」としている。


いじめや部活

 同区では、16年度まで入学校を選択した理由を新入生の保護者にアンケートしてきた(複数回答)。小学生の1位は「学校が近く、通学しやすい」(75・1%)、2位は「兄、姉が通学している」(37・4%)、3位が「子供の友達が同じ学校へ行く」(36・0%)。中学もほぼ同じ理由で、現在でも大きな変化はないとみられる。

 一方、区内の保護者らから、学区外の小学校を選ぶ理由としてこんなケースが聞こえてきた。

 (1)幼稚園の時、友達関係がうまくいかず友達とは別の学校を選んだ(2)両親が共働きで、昼間預かってもらう祖父母の家がある学区の学校を選んだ(3)幼稚園時代の友人が多く行く学校を選んだ(4)学年に1クラスしかないため、クラス換えができる大規模な学校を選んだ-

 さらに中学校では、希望する部活動がある、または部活動が盛んだとの理由も多い。

 小学6年生を持つ父親は「子供の人間関係で選んでいる保護者が多い。主体的に選ぶほど学校に価値があるとは思えない」として、再生会議が掲げるような学校の教育内容や教育方法で保護者が選択することなど不可能だと厳しい見方を示した。


予算への不安

 再生会議では地域全体で子供を育てることも提唱している。

 だが、別の父親は自宅のある学区内の小中学校を卒業したが、「学校に他学区の子供が増え、地域の学校という意識が薄くなった」と話し、近所でもそうした声が上がっているという。

 「兄弟が別の学校へ行ったため、授業参観が大変になった」「野球部が盛んなので選んだら顧問が異動してしまった」などの不満も出た。

 さらに昨年末、区と東京都が行う学力テストの結果で、学校予算の一部を増減するとの方針を発表した。多くの抗議が寄せられ、点数の伸び率で配分すると方針転換した。だが、個人ではどうしようもない学校全体の成績で予算が変わることへの不安もあった。

 保護者から「私立も都立の中高一貫校もある時代。このままでは、区立校を敬遠する子供がさらに増える」との指摘が出ていた。

 対策について同区教委では「それぞれの学校が特色づくりに努力してほしい」と話している。

 

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