公教育復活なるか?
東京新聞の社説に「小中学校一貫 公教育復活につなげよ」と題した社説が載りました。最近の教育事情を踏まえた興味深い記事なので、ここに紹介します。
東京新聞2009年1月26日【社説】 小中学校一貫 公教育復活につなげよ
横浜市は二〇一〇年度から市立の小学校と中学校のすべてで「一貫教育」を導入する。私立中学受験に挑戦する児童が増え、公教育への信頼は低下している。改革を進めて復活につなげたい。
横浜市立の小、中学校は五百校近くにのぼる。小中一貫教育はすでに東京都品川区などが導入しているが、これだけ大規模で取り組むのは全国で初めてだ。
小中一貫は小、中の九年間を一体的にとらえて子供の学力向上や学校生活に対応していこうという教育方式だ。中学に進んだとたん、勉強についていけなくなったり、先輩後輩の上下関係になじめない「中一ギャップ」には効果があるとされている。
横浜市は小中一校ずつの連携、一中学校と複数の小学校、小中複数校同士でのグループをつくる。
小学校では一一年度から本格的に英語教育が始まるが、中学の英語教諭が小学校に出向いたり、数学が苦手な中学生には小学校教諭が基礎を教え直すといった小中間での人的交流を検討している。
東京都八王子市なども小中一貫の準備を進めている。一貫よりも結び付きが緩やかな「連携」から始める動きもある。川崎市は教職員交流を中心とした連携教育をスタートさせ、神奈川県厚木市は連携のモデル学区を設ける。
小中の一貫や連携を導入する自治体が増えている背景には、私立中学を受験する児童の急増がある。一都三県では小学六年生の20%近くは中学受験し、公立中に進まなくなっている。
費用がかかるにもかかわらず私立中受験者が増えているのは、私学が進学実績を伸ばしてきた成果であり、公立の中学や高校への信頼が低下した現実がある。
私学は大半が中高一貫だから私立進学者が増えれば増えるほど、公立の中学や高校は存続が危うくなる。小中一貫は公立学校に子供を囲い込む狙いもうかがえる。
しかし、一貫や連携が形だけになっては公教育の信頼回復は難しい。小学校では多くの場合、先生が一人で全教科を教え、中学校では教科担任制をとる。教員免許も別々で、人的交流を図っても制約がある。成功につなげるには教える内容を見直し、改良していくしかない。
学ぶ側に効果的で、教える側に効率的なカリキュラムが組めるのか。横浜市は年度内に各校にモデルとなるカリキュラムを示すという。他の自治体の関心は高い。模範となるものを作ってほしい。
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