「過去問」再利用へ 全国66大学が来春入試から
公立中高一貫校もいずれ同じような試みを行うようになるのではないでしょうか。
2007/05/18 産経新聞
東京学芸大や順天堂大など全国66大学が来春入試から、過去に他の大学で出題された入試問題を再び出題する方針を決めた。毎年新たな問題を作成しなければならない負担を軽減するとともに、良質な過去問を活用するのが狙い。他大学の過去問の“再利用”はこれまで重大な信義則違反とみられる傾向が強かっただけに、66大学の取り組みに注目が集まりそうだ。
過去問を再利用するのは両大のほか、お茶の水女子大、横浜国大、名古屋市大など国公立33大学と桜美林大、東京農大、日本医科大など私立33大学。
これらの大学は「過去問活用宣言」を行い、(1)宣言を行った大学の入試問題を「共有財産」と位置づけ、相互に使用を認める(2)そのまま使用することも、一部改変して使用することもできる(3)使用した過去問は入試後に受験生に公表する-こととした。
国立大の入試関係者によれば、他大学の過去問の再利用についての明確なルールはない。しかし、受験生などから「同じ問題に接したことがある人とない人の間で不公正が生じる」との批判が強く、「出題できないという暗黙のルールがあった」とされる。
このため各大学の入試担当者は、作成した問題が過去問と類似しないよう細心の注意を払っているが、「全国の大学で毎年の出題される問題数は膨大で、チェックは非常に困難」なのが実情。問題作成に時間をとられて大学本来の教育、研究活動に支障が出ることも少なくないという。
一方、66大学の宣言では「過去問を共有財産として活用することは、問題作成をめぐる重圧からの解放も意味する」と強調。ただ安易に依存することは認めず、「それぞれのアドミッション・ポリシー(学生受け入れ方針)に沿った良問を使用する」と強調している。
宣言への参加大学は、受験生に不公平にならないよう(1)事前に過去問を利用する可能性があることを公表する(2)問題集などで公表されている過去問に限る(3)入試後、どの大学の過去問を利用したかを公表する。
今後は参加大学の拡大を呼びかけていく方針で、宣言の幹事を務める岐阜大は「大学入試は高校教育に大きな影響を及ぼす。過去問をタブー視せず良問を出題することで、入試の役割を果たしたい」としている。